いわゆるボーダー

夫と付き合いたての頃に
「おまえは人格障害だと思う」
と言われ、それで初めて、そういう障害があることを知った。
ネットでよくある自己診断チェックやってみたら、項目全部当てはまり、ギョッとして、病院へ行くことになった。
最初に診てくださった先生に、病院が変わっても、もう10年くらい、ずっと診てもらっている。


「見捨てられ不安」が強いんだって。
「あなたは、あなたのままで、いていいんだっていう安心感が、ごっそりないんだね」って主治医は言ってた。
わたしは幾度も、他人に何か諭される度に「人間はポイント制で、相手にとって良くないことをすると、どんどん減点されて、0点になってしまうと切り捨てられるんだ」と言っていた。本当に、そうだと思っていた。
夫は「それはちがうよ。嫌いなところはあっても、好きは変わらないんだよ」と辛抱強く言い聞かせてくれていた。
いまだにそれは、言葉ではわかるけれど、完璧に信用は出来ていない。
自分のすべてを知ってしまったら、ベトベトしてドロドロした、どす黒い、嫌な部分を知られたら、ひとは離れていくだろうなって思ってる。


小中高、いっしょで、とても仲良かった友人に、わたしは今の夫と付き合いたての頃に「わたし、人格障害っていう障害みたいなんだ」ってメールで話したら、「ああ、なんかおかしいとは思ってた」という返信が来て、それっきり、何を送っても、電話しても、連絡がとれなくなった。
離れていってしまった。
ほら、ね、人間は、減点式なんだよ、なんて思ったな。
その子のことは、毎晩、夢に見るくらい、なにか悔やんでいて、つらかった、悲しかった。
だけど、最近、向こうだってけっこうキツイことわたしに言ってたよなあ、とか、わたしも彼女からずいぶん失礼なことされていたよね、尊重されてなかったよね、なんて、少し「怒り」に変わってきたら、その子は、夢に、パッタリ、出てこなくなった!
自分の中の、その子(むしろ、その子とはもうちがう、自分の中だけのひとり歩きした存在)を、決別することに成功したのかもしれない。


こういうふうに、自分の中で、決別しなくてはいけない、(現実的にではなく精神的に)殺さなくてはいけないのは「母親」だよな・・・
今後、どんな距離感でいればいいのかしら。